下部消化管グループ
2024年4月、待望の本学一期生である近藤裕哉先生が専攻医として仲間に加わってくれました!!
下部消化管グループは、以下の理念を掲げて日々の診療に取り組んでいます。・シームレスな診療連携
・患者さん第一の安全な手術
・最新の知見を取り入れた治療方針の樹立
・敬意と感謝を込めたプロフェッショナリズム
・テクニカルスキル・ノンテクニカルスキルの両輪
・メンバーがベストパフォーマンスを出せる持続可能な環境づくり
当グループでは、大腸癌に対する手術を中心に、結腸憩室炎、炎症性腸疾患、腸閉塞、腹壁ヘルニア、直腸脱や肛門疾患などの良性疾患に対する手術も積極的に手掛けています。
当院は日本大腸肛門病学会の定める大腸肛門病施設に認定されており、幅広い疾患を執刀・経験することができるため、日本大腸肛門病学会専門医を取得することも可能です。関連学会における発表や論文執筆も積極的に行っており、成果を着実に積み上げています。
また、日本内視鏡外科学会技術認定(大腸)の取得に向け、メンバー全員が術者・助手としてスキルアップできる体制を築き上げてきました。今後も、技術認定取得を最優先課題に設定し、チーム一丸となって邁進していきます。
以下、当グループのトピックスを紹介いたします。
(1)大腸癌に対するロボット支援手術・腹腔鏡手術
当グループでの大腸癌切除術件数は年間約130例で、そのほとんどに低侵襲手術が適用されています。2023年5月にロボット支援直腸切除術を導入いたしました。それ以降、現在までに直腸癌に対する根治手術の約90%をロボット支援手術で行っています。また、2024年4月より、結腸癌に対するロボット支援手術も開始いたしました。今後、日本内視鏡外科学会プロクター認定を経て、術者の裾野を拡げていく方針です。腹腔鏡下大腸切除研究会の施設会員として、2024年には多施設共同研究にも参画いたしました(SCRLET試験)。また、2024年からは大腸癌研究会の施設会員にもなりました。(2)進行下部直腸癌に対する集学的治療
局所進行下部直腸癌を対象とし、治療成績の向上を目的とした術前化学放射線治療(NACRT)または術前化学療法(NAC)を、腫瘍内科・放射線科と連携し積極的に実施しています。術前治療を経た直腸癌に対するロボット支援手術を経験し、腹腔鏡手術と比較して遜色のない治療成績を手応えとして実感しています。適応は限定的ですが、NACRTに化学療法を組み合わせたTotal neoadjuvant therapy (TNT)を実施、臨床的に完全奏効が得られれば手術を回避するという試みも行っています。(3)良性疾患に対する腹腔鏡手術・ナビゲーション手術
近年増加しつつある結腸憩室炎に対して、可能な限り一期的切除吻合を行う方針として腹腔鏡手術を行っています。発光尿管ステントを活用した手術症例の論文発表や、関連学会での報告も定期的に行っています。また、腸閉塞に対する手術治療においても腹腔鏡手術を第一選択としており、インドシアニングリーン(ICG)を補助診断として用い腸管血流の評価を行うことで、腸管を可及的に温存できるよう努めています。2024年からは日本蛍光ガイド手術研究会が主導するiFEISS試験にも参画し、消化器外科・肝胆膵外科の全グループを挙げて絞扼性腸閉塞に対する手術成績の向上に取り組んでいます。また、腹壁(瘢痕)ヘルニアに対しては、上部消化管グループや肝胆膵外科と協力しながら、Rive-Stoppa法やEndoscopic Mini- or Less-Open Sublay operation (EMILOS)法など、Retrorectus/retromuscular approachを主軸とした低侵襲かつ再発のない術式を選択しています。(4)精力的なストーマケア
進行大腸癌に対する根治手術や消化管穿孔などの緊急手術の場合、ストーマ(人工肛門)の造設を伴うことがあります。その際は、皮膚・排泄ケア認定看護師を中心に病棟・外来看護師と協働して問題の解決を図りながら、患者さんのQOLを重視したベストケアの提供を目指しています。当院は、ストーマ外来を併設しているほか、日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会の定めるストーマ認定施設としても認定されています。また、傍ストーマヘルニアやストーマ脱出など、ストーマ関連合併症に対する手術も積極的に検討しています。いつも明るく、真摯で前向きなチームであることを自負し、それを最も大切にしています。
困りごと・相談ごとがある方、一緒に働いてみたい方など、いつでもお気軽にお声がけください!